まえがき その1

君たちがこの日記を読むにあたり先ず断っておきたいのは、この物語はフィクションであり、 実際の人物、事件、団体には一切の関係を持たないということである。特に私に関しては断じてならない。

あってはならないのである。とは言いつつもこの話は私が自衛隊に入り、 前期教育にて経験した出来事を基にして作られた話であるから一概に一切関係ないとは言えないのが現状であり、 また事実でもある。

前期教育があるということはまた、後期教育も存在する。しかし後期教育に関してはこの話には出てこない。 なぜなら、後期教育では配属された部隊それぞれの教育となってしまい、共通性もなくなるし、 専門的な用語も多くなってくる。それに比べ前期教育は幹部候補生を除くほとんどの隊員たちが経験する内容であり、 新隊員たちが必ず通る道でもある。従って自衛隊とはどのようなものなのだろうかと思っている方にはうってつけであるし、 教育を経験した方にとっては共感出来る箇所の多いものでもある。その為前期教育を話題に取り上げた次第である。

尚、今現在の日本の平和と独立を守る自衛隊の指名を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、 一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し心身をきたえ、技能をみがき、 政治的活動に関与せず、強い責任感をもって専心職務の遂行にあたり、 事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応えることを誓っており、 それを見事厳守されている自衛官の方にはこの本はお勧め出来ない。 何故ならばこの物語の主人公たる私は自衛隊員たれども自堕落で、よくもここまでと 言いたくなる程捻くれていて凡そ世の中の為にならんような男であり、先に挙げたような非常にまじめな方が読んで しまっては怒り心頭に達すること間違いなし、もし電車内で読んでいたならば怒りに身を任せ暴れに暴れ 他のお客様方のご迷惑になること請け合いだからである。

そんな訳でお勧め出来ない。もし自らを怒りに怒っても己を律する自信のある強者であるとするならば、 あるいは暴れた事後の責任を一切自己のものとし、この日記に、何よりこの日記の著者である私に責任を転嫁しないと 誓える方のみ是非とも次の頁を捲り日記を読み始めて欲しい。

万一了承頂けない場合は速やかにブラウザの『戻る』を連打して頂きたい。




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