四月十四日 山本班長と指導 その1

山本班長について語る。

彼は陸上自衛隊の主戦闘力である普通科の第一線部隊である小銃小隊に身を置く三区隊の二班長を務める 石山班長と並ぶ熱血漢でありその筋肉は一切の脂肪の存在を許さず、常に四周を警戒しピクピクと躍動しているのである。

我らが着隊してたった五日で山本班長ファンクラブが発足したのも無理からぬ話である。私はなんとその名誉会員であった。 と、いうかファンクラブ自体私が発足させ、私が唯一の会員であった。一体私は何がしたかったのか。

しかし、私を除いても山本班長を慕う隊員は少なくなかった。その理由は彼のパーソナリティにある。

「お前ら、何回言わしたら解るんや!?何回こうして腕立て伏せしたら時間を守れるんや!?」

出身なのだろうか、広島弁を全面に押し出す濃いキャラクターは直ぐ様全ての隊員たちの脳裏に強く残ったことであろう。




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