まえがき その3

さて、万事神頼み、運頼みとなった私であったが運命のイタズラとは大変なことを してしまうものである。私は秋の公務員試験を目指し、 春の自衛隊試験にて腕試しする大学生たちを見事蹴散らし 奇跡的に一次試験をパスすることに成功したのである。

こうなるともう何の因果かは知らないがさらに厳しくなる筈の二次試験 もあっさりパスし糸も簡単に合格を決めてしまったのだ。

異口同音、友人達も両親と同じく私には自衛官など務まらんと 口を揃えたが元々身体を動かすことが好きで、もし 『爽やかな汗の似合う男児選手権』なるものがあるのであれば流石に一位はないとしても、 かなり良いところまで行ける自信が当時の私にはあった。その為、

「運動して給料貰えるならそれで良いや」

と自衛隊を恐るべき楽観視をしていた。早めに結末を話して大変申し訳ないが 私は入ったことをすぐさま後悔したのである。 ちなみにこれは後から聞いた話であるが、 親しい友人たちは私が何日で自衛隊を辞めるのか賭けをしていたようで、 『一週間以内に辞める』にほとんどの友人が賭けていたそうである。

全く、不謹慎極まりない連中だ。




もくじへ移動/ 次のページ

TOPに戻る