五月十日 外哨長は刺・射殺? その1

先にも説明したが、自衛隊には警戒要領として『誰何(すいか)』というものが存在する。

1.絶えず敵方を監視し、併せて四周を警戒し、すべての兆候に注意する。 敵に関し発見したならば、速やかに前哨長に報告する。

2.出入りを許す者は、味方の部隊、幹部、斥候、巡察、伝令として、 その他の者については前哨長の指示を受ける。近づく者には銃を構えて確かめ、 彼我不明の時は誰何(すいか)する。3度誰何しても答えない者は、捕獲するか、刺・射殺する。 車両は停止させて取り調べる。

3.出発する斥候からは、任務、経路、帰来地点、時刻等の概要を聞き、 自己の見聞した状況を知らせ、帰来する斥候からはその見聞した状況を聞く。

4.銃を手から離してはならない。夜間は着剣する。歩哨は喫煙せず、また、命令なく坐臥してはならない。


こんな長い文章覚えられるわけがない。教育に於いて座学が始まる度に、助教は何人かの新隊員を捕まえ、 これについて暗記しているかどうか訊ねてくるが、一夜漬けの浅漬けで頭からパッと答えが出てくるわけがない。 ちなみに私は浅漬けが大好きだが、この話には全く関係がない。少なくとも私なら無理だ。


どうにか当たらないことを祈るしかない。




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