新米巡査・平野の事件簿 パート2

謎の甚平男を追いかけていた平野巡査であったが、クリスロード商店街を外れたあたりで、 その姿を見失ってしまったのであった。それも無理な話では無かった。 何しろ仙台七夕を間近に控えたアーケード街は、鍋料理のようにごった返していたのである。

どうしようか、こうしようかと悩んでいると、彼の眼前にまたもアヤシイ人物が姿を現した。 ハットを被り、サングラスを掛け、それでいて小生意気にもお洒落な男だった。 男はうろちょろと裏通りを徘徊しており、時折、店々の中を覗いては、 またあっちへ行ったりこっちへ行ったりしていた。彼は率直に物事を考えた、 「あれだけアヤシイ雰囲気を出している人物が、悪人でない筈がない」と。 平野は尾行対象を甚平の男から、シャレ乙な男に切り替え捜査を進めるのであった。




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